認知症とは?

歳をとると、誰でも記憶があいまいになったり、物忘れをするようになります。これは生理的な現象ですが、その症状がひどくなったものが認知症です。
認知症には、脳血管萎縮・閉塞が原因となって起きる脳血管性認知症(多発性脳血管閉塞性認知症)と、実際には原因がわかっていないアルツハイマー型認知症があります。

どちらも物忘れや記憶力の低下から始まり、次第に見当識障害(時間や場所、家族の顔、状況などがわからなくなる)が現れてきます。
進行すると、徘徊や失禁、自分の便をいじるなどの不潔行為をするようになり、さらに進むと知的障害、躁鬱傾向、譫妄、発語障害などさまざまな症状が出てきます。

脳血管性認知症が脳の損傷や血行障害に応じて症状が全身に及びやすいのに対し、アルツハイマー型認知症では首から下に症状が出ることはなく、その特徴は人格まで変わってしまうことがあるという点です。

健康な人でも、歳をとると物忘れが激しくなるのは、働ける脳細胞がドンドン減っていくからです。脳細胞の脱落が異常に多くなったり、脳が萎縮すると痴呆の症状が現れてきます。

脳血管性認知症で脳細胞の脱落を加速するのが、脳血管の動脈硬化です。脳の毛細血管が詰まると、その先の脳細胞は栄養と酸素が補給されず死んでしまいます。脳細胞が死ねば、その部分が支配しているさまざまな機能が影響を受けます。

アルツハイマー型認知症は、一般的にはアミロイドという褐色のシミ(老人班)が大脳皮質の神経回路にたまり、神経回路を破壊して起こるといわれています。脳細胞も死滅が進み、3か月もすると10分の1にまで減ってしまいます。3:7で女性に多く、日本でも急増しています。

脳血管性認知症は血行障害が脳だけでなく、全身に起こるので寝たきりの方が多いのに比べ、アルツハイマー型認知症では体は元気なので自由に外出ができるために、かえって問題を起こしやすい危険性があります。

人間の大脳皮質には約150億個といわれる数の神経細胞があり、さまざまな情報を伝達する役割を担っています。
神経細胞は老化によって1日に10万個ほど消失していることはよく知られています。
通常の老化による減少より早く神経細胞が消失してしまう脳の病気が「認知症」です。

物忘れは自然な老化によって生じる単なる歳のせいで、誰にでも起こりえます。一方、認知症は病気であり、単なる物忘れではありません。
  
  認知症による物忘れ                             老化(歳のせい)による物忘れ
   病気                                       病気ではない
   進行することが多い                              半年〜1年では変化なし
   物忘れ以外に時間や判断が不確かになる                 記憶障害のみ
   物盗られ妄想などの精神症状を伴うことがある              他の精神症状を伴わない
   しばしば自覚していない                            自覚がある

アルツハイマー病は脳の糖尿病!!
これからの日本人にとって、きわめて深刻な問題となっていくことが確実な2つの病気がある。
@認知症の人が飛躍的に多くなっている。
A糖尿病。40才以上の4人に1人が糖尿病か、糖尿病予備軍。
一見、関係なさそうな2つの病気には実は大きな関係がある。
糖尿病の人は、そうでない人に比べて2.5〜3倍程度、またはそれ以上にアルツハイマー病になりやすいことが最近の研究でわかった。
アルツハイマー病とは「脳が糖尿病になっている状態」といえる。(アルツハイマー病は脳の糖尿病:鬼頭昭三・新郷明子。講談社より引用)

参考図書:認知症とは何か(小澤勲:岩波新書)、脳の老化と病気(小川紀雄:講談社)、脳からみた認知症(伊古田俊夫:講談社)ほか



日本薬理学雑誌抄録(145巻5号p234-236)
『みかんの皮でアルツハイマー病がよくなる?』
アルツハイマー病の認知機能障害に対するN陳皮の臨床効果(関隆志)

塩酸ドネベジルをすでに内服しているアルツハイマー病(AD)患者にノビレチン高含有の陳皮(N陳皮)を投与して安全性を検証するとともに、ADの認知機能への効果を検討する。
塩酸ドネベジル内服中の中程度から軽度の認知機能障害のあるAD患者を2群に分けて、介入群と対照群とした。MMSEおよびADAS-Jcogにて認知機能を評価した。
観察期間は1年とし、介入群には塩酸ドネベジルおよびN陳皮の煎じ薬を毎日1年間投与した。対照群には塩酸ドネベジルのみ投与を続けた。
介入群では、1年間でMMSEおよびADAS-Jcogの有意な変化を認めなかった。一方で対照群ではMMSEおよびADAS-Jcogが有意に悪化した。
ADAS-Jcogの1年間の変化量は二群間で有意な差が認められた(p=0.02)。
塩酸ドネベジルを内服中のADの認知機能の悪化をN陳皮の1年間の投与が食い止める可能性が示唆された。
(商品についてはhttp://www1.bbiq.jp/koshi-pharmを参照ください)